12月19日、中国・上海の熱気の中で開催されたCounter-Strike 2の国際大会eXTREMESLAND CS Asia Open 2025。日本予選を勝ち上がり、私たちの代表として挑んだRavensでしたが、グループステージDでの戦いは非常に厳しいものとなりました。
結果は残念ながら2連敗での敗退。初戦のモンゴル代表Chinggis Warriors戦では2-13、続く中国代表Change The Game戦では7-13というスコアで幕を閉じました。新体制のRavensにとって初めての国際オフライン大会でしたが、そこで待っていたのは、私たちが想像していた以上に高く、そして分厚いアジアの壁という現実でした。
圧倒的なフィジカルを誇るモンゴルと、緻密な戦術でゲームを支配する中国。全く異なる強さを持つこの2国に対し、日本代表はどう戦い、何が通用しなかったのか。
何もさせてもらえなかった初戦
まず、初戦となったChinggis Warriors(モンゴル)戦ですが、これは現在の日本とモンゴルの間にある個の力の差をまざまざと見せつけられる結果となってしまいました。最終スコアは2-13。
CS2において取得ラウンドが2本に留まるというのは、戦術以前に、もっと基礎的な撃ち合いやスピード感の部分で圧倒されていたことを意味します。試合開始直後から、モンゴルチーム特有の猛攻がRavensを飲み込んでいくようでした。彼らの持ち味であるリスクを恐れない飛び出しと、不利な状況さえエイム一つで覆してしまうフィジカルの強さは、慎重な立ち回りを好む日本チームの想定を遥かに超える速さだったのではないでしょうか。
特に苦しかったのは、相手のアクションに対してRavensが常に後手に回らされてしまった点です。自分たちのペースでスモークやフラッシュを使おうとしても、その準備が整う前に、あるいは道具を構えた瞬間に接敵を強いられてしまう。そんなシーンが何度も見受けられました。
モンゴル勢のCSは時として荒っぽいと表現されることもありますが、この試合に関しては、その荒々しさがすべてプラスに働き、Ravensの守りを正面から打ち砕いた印象です。わずか2ラウンドしか取れなかったという事実は、戦術を修正する時間すら与えてもらえなかった、FPSとしての地力の差を認めざるを得ない、とても厳しい現実でした。
アウェーへの適応力とゲームメイクの差
初戦のショックは大きかったはずですが、続くChange The Game(中国)戦では、Ravens側の確かな修正力を見ることができました。スコアこそ7-13での敗北となりましたが、ラウンド取得数が7本まで伸びたことは、彼らが短時間で気持ちを切り替え、立て直しに成功した証だと言えます。
一方的な展開だった初戦とは違い、Ravens側から仕掛けてキルを取る場面や、相手の攻撃を凌ぐシーンも見られました。完全アウェーの中で、しかもホームの大声援を受ける中国チームを相手に、崩れずに試合に入れた点は、チームとしての底力を感じさせてくれました。
ですが、試合全体を俯瞰して見ると、やはり中国チームのマクロ(大局的な戦術眼)が一枚上手だったと言わざるを得ません。中国CSの特徴である、正確なユーティリティーの使い方によるエリア確保や、相手のお財布事情(エコラウンド)を見極めたリスク管理は、本当に徹底されていました。
Ravensが追い上げようとする場面でも、中国側は決して焦ることなく時間を使い、重要なラウンドを確実に抑えることで流れを渡しませんでした。初戦が個人の力で押し切られた敗北だとすれば、この第2戦はチームとしての完成度の差が出た敗北だったように感じます。
新加入メンバーを含めた連携は国内では通用しても、アジアのトップ層相手にはほんの一瞬の迷いが命取りになります。7-13というスコアは、善戦したとも言えますが、同時に勝ち切るための決定打がまだ足りていないことを、静かに、けれど強く突きつけているようでした。
まとめ
上海でのRavensの挑戦は、グループステージ敗退という形で終わりました。2試合で得られたラウンド数は合計9本。この数字は、日本CS界が直面している課題の大きさを、客観的なデータとして示しています。モンゴルの理不尽なまでの破壊力と、中国の精巧なゲームメイク。この両方に対し、今の日本チームはまだ明確な勝ち筋を見出せていないことが浮き彫りとなった大会でした。
とはいえ、チームが新体制になって日が浅いRavensにとって、このレベルの強度をオフラインという環境で肌で感じられたことは、何にも代えがたい経験になるはずです。国内の練習だけでは決して得られない世界基準の速度と圧力を体感した彼らが、この悔しさを糧にどう変わっていくのか。
感情的に悲観するのではなく、今回見えたフィジカルの強化や、劣勢時の打開策、アウェーへの適応を一つずつクリアしていくことだけが、世界への道を切り拓く唯一の方法なのだと思います。
今回のeXTREMESLANDは、日本チームにとって厳しい現実確認の場となりましたが、同時に目指すべき基準がはっきりと見えたという意味では、決して無駄な遠征ではなかったはずです。彼らのこれからの成長に期待したいですね。


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